変形性膝関節症の症状と原因 | 高齢者に多い膝の痛みの治療

変形性膝関節症の症状と原因 | 高齢者に多い膝の痛みの治療

変形性膝関節症の症状と原因 | 高齢者に多い膝の痛みの治療

膝の軟骨のすり減りや骨の変形によって、強い痛みを生じさせる「変形性膝関節症」。高齢者の膝の痛みは、高い割合でこの病気が原因です。

今回は、変形性膝関節症の症状と原因、治療法について解説します。

変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症の症状は、一言でいうと「膝の痛み」です。高齢者や女性、肥満の人に多い病気として知られています。

初期症状としては、朝起きて歩き始めた時など、動作を開始した時に膝の痛みを感じ、少しすると収まります。

中期になると歩行時の膝の痛みが慢性化し、階段の上り下り(特に下り)が困難になります。膝に水が溜まって腫れる、正座ができなくなるのも中期の症状です。

末期になると、膝が変形しO脚になります。安静にしていても膝の痛みが消えないため、生活の質を保つことが困難になり、要介護になってしまいます。

変形性膝関節症の症状は何十年もかけてゆっくり悪化していきます。痛み始めた時に放置せず、症状の軽いうちから対策をとっていくことが大切です。

変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症の原因で最も多いのが、長年の膝への負担です。女性は50代半ばから、男性は60代半ばから、膝の痛みを感じる人が急増します。中でも、肥満の人、肉体労働など膝に負担をかける職業の人の罹患率は高くなります。

それ以外に、何らかのケガや病気が原因で変形性膝関節症になることもあります。事故による膝の骨折や脱臼、靭帯損傷、半月板損傷といったケガ、関節リウマチや感染性関節炎といった病気などです。

変形性膝関節症の治療

高齢者に多い変形性膝関節症の痛みの治療

変形性膝関節症の治療は、膝の痛みをやわらげ、損なわれた膝の機能を高めることで、要介護や寝たきりを予防するのが目的です。

保存療法

初期・中期の治療では、手術をしない「保存療法」が採用されます。保存療法には以下の種類があります。

・生活改善と体重コントロール: 膝に負担のかかる生活習慣を見直し、肥満の場合は体重を減らします。

・運動療法: 膝の痛みがあるからといって動かないでいると、筋力が弱まることによってますます膝の痛みが悪化するという悪循環になります。膝が痛くない範囲で適度な運動を継続することで、膝の状態を改善することができます。

・装具療法: 足底板(インソール)や支柱入りサポーターを装着することで、膝の負担を軽減します。

・薬物療法: 鎮痛効果のある、内服薬、外用薬、坐薬などを症状に合わせて使い分けます。また、ヒアルロン酸の関節内注射を行うこともあります。

・物理療法: 痛みをやわらげる温熱療法や、炎症を抑える寒冷療法を症状に合わせて行います。

これらの療法を医師の指導の下に適切に組み合わせて行っていきます。

手術療法

保存療法を行っていても効果があがらず、膝の痛みで生活に支障がある場合の治療は、手術療法です。

手術療法には、以下の種類があります。

  • 関節鏡下手術: 関節内部の痛みの原因を取り除きます。
  • 高位脛骨骨切り術: O脚を矯正して変形性膝関節症の進行を抑えます。
  • 人工ひざ部分置換術: 膝関節の一部を人工関節に置き換える手術です。
  • 人工ひざ全置換術: 膝関節全体を人工関節に置き換える手術です。

関節鏡下手術は2日〜10日ほどの入院期間で、比較的早く日常生活に戻ることができます。それ以外の手術ではリハビリ期間が長くなるため、手術後4〜6週間の入院が必要です。

現在人工関節の耐用年数は20年〜25年程度に延びたので、高齢者の場合タイミングを合わせれば、1度の手術で最期まで保たせることも可能となっています。

まとめ

今回は、変形性膝関節症の症状と原因、治療法についてご紹介しました。

高齢者が要介護になる大きな原因が、歩行困難です。変形性膝関節症になっても膝の痛みを悪化させないよう、初期のうちからしっかりと治療を行いましょう。